さくら雑学事典

その2・百花繚乱 桜の種類について

2013/1/8 ver.7
世界の桜

桜の自生種は主に東アジアに分布しています。植物学上の分類によれば、中華人民共和国には33種があります。一方、日本には、分類のしかたにもよりますが10種の桜があるに過ぎません。
東アジアではこの他、ヒマラヤ周辺に3種類の野生種があります。
東アジア以外では、ヨーロッパから西シベリアにかけて3種、北米に2種あります。

よく、桜の発祥は日本であるとか、ヒマラヤ桜の多いネパールであるといった説が出ますが、北半球に広く分布しているため、どこが発祥というのははっきり分かってはいません。

一方、栽培品種がもっとも多いのは日本です。日本には、野生種と栽培品種とを含めて約350種類の桜があります。その数は、新しい種類が発見されたり、交配種が作り出されたりして年々増えています。(名前がきちんと付けられていないものはものすごくたくさんあるはずです。)
世界でもっとも桜を愛しているのは日本人だと言われることがよくありますが、確かにその通りだと納得する種類の多さですね。

さて、上記通り北半球に広く分布していますので、日本以外で桜が見られる場所はたくさんあります。

まずは自生種について。
中華民国(台湾)では、カンヒザクラが霧社、烏来などの各地で見られるそうです。
戦時中に日本軍がミャンマー北部で見渡す限りの山を覆うピンク色の桜を見つけ、こんなところに桜があるとは、と驚いたという話があります。秋咲きのヒマラヤザクラと考えられます。また、ミャンマー北部には春咲きのヒマラヤヒザクラと思われる桜もあるそうです。
タイ北部にも、タイ各地から花見に来るという桜があるそうです。こちらもヒマラヤザクラと考えられます。
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ネパール カトマンズLazimpat通りで撮影。
ヒマラヤザクラ。
こちらに走ってくるのは「トゥクトゥク」と
いうミニバスです。
2006.11.24
(↑52KB)


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ネパール アンナプルナサウス(左、標高7219m)、
ヒウンチュリ(中央、6441m)と
ヒマラヤザクラ。
7千m級の山と桜が共存する風景は
もちろん日本では見られません。
2012.11.18-ネパール ガンドゥルン



ネパール各地でもヒマラヤザクラを見かけることができますが、地元民は桜の枝を切って薪にしてしまうため大木はないそうです。あまり大切にされてはいないようですね。
ネパールはバングラデシュに抜かれてアジア最貧の国になってしまいました。国情は良くはありませんが、桜を用いた観光や産業に力を入れ始めている地方もあり、いずれネパールの桜の知名度が上がるかも知れません。
(私がネパールのヒマラヤザクラを訪ねたときの旅日記は2012年11月13日からの15日間と、2006年11月20日からの5日間。)
私がネパールで行った場所以外では、ネパール東方・インド東北部の、イラム、シッキム、ダージリン地方にもヒマラヤザクラがあると伺っています。また、ネパール南東部には、ヒマラヤヒザクラ(春咲き、4月中旬)と思われる桜がたくさん咲く集落があるそうです。
次に、栽培品種を中心とした、日本から贈られた桜について。
アメリカ合衆国 ワシントンのポトマック河畔には桜並木があります。
この桜が日本から送られたことは有名な話です。日露戦争の際、ルーズベルト大統領の講和勧告で日本が救われたお礼にと、当時の東京市長が桜の苗木2000本を贈ったのです。(しかし、苗に病原菌と害虫が付いていたためすぐに焼却処分にされてしまいました。改めて染井吉野やサトザクラ3000本が贈られ、今の桜並木の原型ができました。)

「世界の日本ザクラ」(賀集九平、誠文堂新光社、1976)によれば、著者の賀集氏は当時の世界各地を旅して次のような場所で日本の桜を見たそうです。

また、賀集氏は大正時代にアルゼンチンに移住しており、日本から桜の苗を取り寄せて繁殖させ、アルゼンチン国内に広く送り出したそうです。

一方、1967年から1991年までの間に日本さくらの会を通じて次のような国へ日本の桜が旅立って行きました。(ただし、中にはすでに枯れてしまった桜があるかも知れないとのことです。)

最近見つけた世界の桜のニュースはこちらです。

私がネパール以外で見た桜はこちらです。

こうしてみると、世界中に日本の桜が広がっていることがよく分かりますね。


日本で一番多い桜は?

それは皆さんの予想通り染井吉野です。
染井吉野。花付きのよさと、葉が出る前に花が咲くのが特徴。江戸時代後期に売り出され、あっという間に日本各地を覆いました。
2004年5月8日に、北海道森町 青葉が丘公園で撮影。
今では、全国の桜の名所のうち約8割が染井吉野を植えていると言われています。
また、全国に100万本程度あると言われています。
染井吉野は本州から北海道の南部(道南)まで広く植栽されています。ただし、沖縄と、北海道の広い地域では育ちません。

染井吉野は、薄いピンク色をしたやや大き目の花が枝にびっしりつきます。花が咲くと他の桜よりも華麗に見えます。この染井吉野はオオシマザクラとエドヒガンの雑種です。

染井吉野は、江戸時代の末期に染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋が売り出したと伝えられています。染井吉野の誕生は謎とされています。
私は、植木屋(4代目伊藤伊兵衛政武などの説あり)がかけ合わせで作り出したという説が有力なように思っています。(偶然発見したとすれば、オオシマザクラとエドヒガンの植生が唯一重なる伊豆半島ということになりますが、江戸時代の伊豆は道が整備されていないため、たとえ染井吉野が誕生していても発見される可能性が低いそうです。)

ところで、染井吉野と奈良県吉野地方とは全く関係がなかったにも関わらず、その植木屋はこの桜を「吉野桜」と名づけて売り出しました。
植木屋は、桜の名所にちなんだ名前をつけて、たくさん苗を売ろうとしたのかも知れません。言ってみれば、吉野という「ブランド」をちょっと借りたということでしょう。
明治に入って、「吉野桜」という名前のままだと本家吉野のヤマザクラとまぎらわしいということで、改めて「染井吉野」と命名されました。

さて、染井吉野はなぜ今の日本にたくさん普及したのでしょうか。
それは、染井吉野がいくつかの長所を持っていたからと考えられます。
染井吉野は、先に花が咲き、後から葉が開きます。桜の種類によっては花と葉がほぼ同時に開くものもありますが、染井吉野のように花が先のほうが見ばえがするため評判がいいのです。
また、染井吉野の花は少し大き目で、花付きもよく、見た目が豪華です。
更に、成長が早くて10年も経てば立派な木になり、他の桜に比較すると若いうちから花を付けます。
これらの長所を持っていたため、染井吉野は明治に入ってから、全国の城跡や公園、学校、道路沿い(そして残念なことですが軍事施設にも)などに植えられ、急速に普及していったのです。



特徴のある桜あれこれ

桜の中で特徴のある種類をいくつかあげてみましょう。

桜前線のスタートの場所で見られる桜は?
桜前線の基準に使われる桜は、日本の大部分(本州から北海道南部にかけて)では染井吉野、沖縄ではカンヒザクラ、南部と東部を除く北海道ではオオヤマザクラ、そして北海道東部では千島桜です。

桜前線のスタートで見られるのは、沖縄のカンヒザクラ(寒緋桜)ということになります。
カンヒザクラは、沖縄から東京辺りまで分布する桜です。他の桜よりも花の色が濃いのが特徴です。また、下向きに咲く花やぱっと大きく開かない花が多く見られます。
ヒカンザクラ(緋寒桜)とも言いますが、よく似た名前のヒガンザクラ(彼岸桜)と区別するために、最近ではカンヒザクラと呼ぶことが増えてきました。ちなみに、大手出版社の雑誌でも「ヒガンザクラ」と「カンヒザクラ」の取り違いを見かけたりします。

沖縄では、本島北部の八重岳、名護城(なんぐすく)、今帰仁(なきじん)城址などが桜の名所です。八重岳では例年1月上旬頃に咲き始めます。桜の花の下で成人式を祝う年も多いそうです。
ところで、沖縄のカンヒザクラは、本州とは逆に山の上のほうから咲くのです。「沖縄の桜は山から降りてくる」と言われるくらいなのです。その理由をご説明しましょう。
桜の花芽は前の年の夏頃に作られ、休眠に入ります。そして、多くの種類ではある一定期間低温にさらされて初めて休眠から目覚めるのです。このことを「休眠打破(きゅうみんだは)」と言います。冬でも暖かい沖縄の場合、山にある桜のほうが先に十分な期間の寒さを経験するので、平地よりも早く花が咲くのです。
私は1998年の1月下旬に沖縄の桜を見に行きました。八重岳の山頂付近の標高400mほどの場所では平均して6分咲きぐらいでしたが、標高100mの名護城と海の近くの今帰仁城址ではほとんど咲いていませんでした。まさに、山から降りてくる桜を体感した旅でした。

桜前線のゴールで見られるのは?
それは、タカネザクラ(高嶺桜)や、それに近い千島桜です。
タカネザクラや千島桜は北海道と本州の高山部に分布しています。また、北方領土にもあるそうです。寒冷地の雪や風に耐えるため、成長してもあまり背が高くなりません。
タカネザクラの葉や花柄、萼に毛が生えたものを千島桜と呼びますが、専門家によればあまり明確な区別をする必要はないそうです。

北海道の東端、根室市の清隆寺は千島桜の名所の一つです。ここには、明治の初め頃に北方領土の国後島から移植された千島桜の子孫が何本もあります。毎年5月中旬から下旬頃に咲きます。

ここの桜が咲くと、テレビなどではよく「桜前線が終点に着いた」という言い方をします。確かに桜前線の東の端ではありますが、私はここがゴールだとは思っていません。北海道や本州には、ここよりも桜が遅く咲く場所が何ヶ所もあるのです。
地理的には大幅に逆戻りしますが、本州では、信州の北アルプス(栂池、穂高、乗鞍岳など)、南アルプス、八ヶ岳連峰(蓼科山、北横岳など)、関東北部(那須連山、尾瀬付近など)、東北地方(八甲田、八幡平、早池峰山、月山など)などの高地で、5月から7月にかけてタカネザクラが見られます。
また、北海道ではアポイ岳、夕張岳、斜里岳、羅臼岳、利尻岳などに千島桜が自生しています。

遅い年には8月上旬に桜が見られることもあるそうです。
今のところ私が見た中で最も遅い桜は、2004年7月19日(海の日)の北海道羅臼町・羅臼湖のチシマザクラです。

桜前線が沖縄を出発するのが1月上旬で、咲き終わるのが遅い年で8月上旬...桜前線は半年以上もかけて日本列島を移動するのですね。

ちなみに、日本で一番遅い花見が行なわれる場所は北海道東川町旭岳温泉です。標高1200mほどの場所に千島桜があります。例年の場合、6月上旬から7月上旬頃に花が咲き、開花に合わせて地元の方がジンギスカンで花見を楽しみます。こちらの桜は1978年に植えられたもので、ロープウエイ会社が管理をしており、冬場は雪囲いをして桜を守っています。



緑色の桜

緑色の桜があることをご存知ですか?
御衣黄(ギョイコウ)という桜の花は、淡い緑色をしています。多摩森林科学園や新宿御苑で見たことがあります。また、北海道美唄市の東明公園にもあるそうです。
花びらがくしゃくしゃと丸まってしまいやすいため、あまり見栄えはよくないように思われます。
鬱金(ウコン)という桜の花は、淡い黄緑色です。花びらの数が7〜18枚と多く、八重咲きでふわっとした感じに見える花です。鬱金という植物の根で染めた色に似ていることからこう名づけられました。徳島県にある、四国八十八ヶ所巡礼の第十二番札所焼山(しょうさん)寺などで見たことがあります。

春以外に咲く桜

春以外に咲く桜は、十種類以上あるそうです。私が知っている秋・冬咲きの桜をご紹介しましょう。

まずは一重の桜です。

冬桜は、マメザクラと、ヤマザクラまたはサトザクラとの雑種です。冬と春に花を開きます。冬の花は10月に咲き始め、11月下旬から12月上旬にかけて多く咲き、その後少しずつ咲き続けることもあります。また、翌年の4月上旬から中旬にかけても花を付けます。

四季桜は、マメザクラとエドヒガンの雑種です。秋に開花して目立つため、その土地独特の名前が付けられていることが多いそうです。10月から12月にかけてと、4月に咲きます。他の桜に比べて、花はやや小さ目です。

不断桜(フダンザクラ)は、三重県鈴鹿市の子安観音で古くから栽培されています。ヤマザクラとオオシマザクラの雑種ではないかと考えられます。ガイドブックなどには12月から4月上旬まで開花すると書いてありますが、開花状況は年によって差があるそうです。2000年年初のように、葉がかなり遅い時期まで残っていると、冬場にほとんど花を付けないのだそうです。一方、秋口に台風が来て葉が落ちてしまうと、その年の冬には花が咲くそうです。桜の葉は開花を抑えるホルモンを出すと聞いたことがありますので、その影響なのかもしれないと思います。春の開花は3月中旬から4月上旬ですが、冬場の開花状況には左右されないそうです。

八重桜の代表格は、花びらが細く、菊の形に似た十月桜でしょう。
十月桜は、小彼岸という桜と、何か別の桜の雑種ですが、詳しいことは分かっていません。御会式(おえしき。10月12・13日)という仏事が行なわれる頃に咲くため、御会式桜とも言われます。冬の間も小さい花が断続的に咲き、春にはたくさんの花が開きます。春の花のほうが秋の花より大きいそうです。

十月桜と中国実桜の雑種が子福桜(コブクザクラ)です。(中国実桜とエドヒガンの雑種という説もあります。)1つの花にたくさんの実を付けるため、子供がたくさん授かって幸福だという意味でこの名が付けられたそうです。

桜の花芽は、毎年夏に作られます。そして、ほとんどの種類の桜は、冬の一定期間寒さを経験してから開花しますが、その寒さを経験しなくても開花し始めるのがこれらの種類なのだと考えられます。

ちなみに、私が見た最も早い桜は、2003年8月30日の群馬県館林市つつじが岡公園の十月桜です

桜前線は1月から7月、遅い年は8月上旬までかかって日本列島を移動します。一方、早ければ8月下旬に秋の桜が咲き始め、場所によっては春まで少しずつ咲き続けます。ちょうど花芽が作られる真夏だけが、桜の花が途切れやすい時期となります。


たくさんの種類の桜に出会える場所
全国各地にたくさんの種類を集めた公園があります。もし皆さんがいろいろな種類の桜に興味をお持ちになったら一度訪れてみてください。
桜は種類によって見頃が違います。従って、染井吉野の桜前線が通過する前後でも、違う種類の桜の満開を見ることができる場合があります。染井吉野を見逃しても、他の桜で花見を楽しむことができるかも知れません。
なお、年によって見頃が変わることもあります。できれば、電話で見頃を聞いてから出かけたほうがいいと思います。
施設の名前 見頃と種類 問い合わせ先
市房湖畔桜図鑑園(熊本県水上村) 3月下旬〜4月中旬 。約100種類。 水上村経済課桜おこし班 0966-44-0311
造幣局広島支局(広島市佐伯区) 一般の人が入れるのは満開時の5日間だけで、「花のまわりみち」と呼ばれる。造幣局(大阪)から移植された約30種類。 造幣局広島支局 0829-22-1111
造幣局(大阪市北区) 4月中旬。一般の人が入れるのは4月中旬の一週間だけ(3月中旬に入れる日が発表されます)。一方通行で、「花の通り抜け」と呼ばれる。約110種類。 造幣局 06-6351-5361
京都府立植物園(京都市左京区) 3月下旬〜4月上旬。約50種類。 京都府立植物園 075-701-0141
石川県林業試験場樹木公園(石川県鶴来町) 4月中旬〜5月中旬。約150種類。 石川県林業試験場樹木公園 07619-2-0673
多摩森林科学園桜保存林(東京都八王子市) 3月中旬〜5月上旬。約250種類(1ヶ所にある桜の種類としては日本で最多) 多摩森林科学園 0426-61-1121
神代植物公園(東京都調布市) 4月上旬〜下旬。約65種類。 神代植物公園管理事務所 0424-83-2300
新宿御苑(東京都新宿区) 4月上旬〜中旬。約75種類。 新宿御苑 03-3350-0151
松前町桜見本園(北海道松前町) 4月下旬〜5月下旬。約140種類。 松前町役場商工観光課 01394-2-2275

これ以外にも、数種類の桜を植えている公園はたくさんあると思いますので、皆さんのお近くでも探してみてください。


私の好きな桜
さて、次に私の好きな種類を3つご紹介します。

兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)
その名の通り、石川県金沢市の兼六園にある桜です。小さな花びらが200枚から350枚も寄せ集まっていて、花が開くとまるでゴルフボールのような球形になります。

私が95年の4月中旬に兼六園を訪れたときは、残念ながらまだ咲いていませんでした。でも、5月中旬に北海道の松前公園に行ったとき、偶然にもこの桜を見つけたのです。松前公園は、前に書いたように約140種類もの桜を集めています。その中に兼六園菊桜がたまたま含まれていたのです。

残念ながら、花は散り始めていました。でも、その散り方が桜にしてはちょっと変わっています。花びら1枚1枚がバラバラに落ちるのではなく、椿の花のように、花のつけ根からぷっつりと切れて落ちるのです。私は地面の上に転がっていたまん丸の花を手にのせてみました。軽くてふわふわでデリケートで愛らしい、とても不思議な花でした。

河津桜(カワヅザクラ)
伊豆半島の河津町のある住民が町内で1本の野生の桜を見つけ、それを自宅に持ち帰り育て始めました。これが河津桜の原木になりました。
河津桜は自然の中で生まれた雑種で、片方の親はカンヒザクラ、そしてもう片方は伊豆半島で見られるオオシマザクラではないかと言われています。
花の色は、カンヒザクラの濃い目のピンクと、オオシマザクラの白とのちょうど中間ぐらいで、とても上品であでやかなピンク色なのです。私はこの色が大好きです。
河津桜の原木は、すでに大木と言っていいくらいの大きさになっています。高さは約7mあり、木の形は見事なだ円形です。そのピンク色の大きなだ円形を見上げていると、なんだか心が暖かくなるような幸せな気持ちになってきます。

河津町とその周辺に植えられた約1万7000本の河津桜は、すべてこの1本の原木から接木や実生で増やしたものなのです。こんなに素敵な桜が野生で見つかったのは、河津町にとって大変幸運なできごとだったと言えるでしょう。

八重紅枝垂(ヤエベニシダレ)
しだれ桜とは、細い枝が下向きに垂れている桜のことをいいます。八重紅枝垂はその名の通り、しだれの枝に、紅色の八重の花が咲きます。しだれの枝の形といい、透き通るような紅色の、ふわっとした八重咲きの花といい、文句なしにすばらしい桜です。
おだやかな春風に揺れる八重紅枝垂もまた格別です。
この桜は、北海道と沖縄を除く全国各地で育つようですが、もちろん染井吉野ほど数は多くありません。
京都市の平安神宮にはこの桜がたくさんあり、花の時期には言葉で言い表せないほど境内が華麗に彩られます。


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