2012年11月13日(火) 晴れ 2度目のネパールへ出発 |
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2006年はパッケージツアーを利用し、タイ経由でネパールへ行った。(2008年頃までは関西空港−ネパールの直行便があったようだが、よく休航していたらしく特にパックツアーでは予定に組込づらかったようだ。)
現在では直行便はないが、最近では中国本土や香港トランジットというルートも増えた。今年は香港経由で行ってみる。
前回のニューヨーク・ワシントンDCに続き、今回も完全な個人手配の旅だ。
新交通システムでサテライトターミナルへ。 |
そしていよいよ出国、搭乗。
キャセイパシフィック航空には20年ほど前に乗って以来だが、スタッフの対応がとても気持ちいい。そんなにたくさんの国際線に乗ったわけではないけれど、今までで一番いいと思う。エコノミークラスの機内食も、量は少ないけれどまあまあだと思う。
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下2行がこれから搭乗するフライト。 「達」と「上下」が付いたような字で表されるのがダッカ、 加徳満都がカトマンドゥ。 |
給与所得者の月収はだいたい1〜2万円くらいだそうだ。縁故採用が激しく、大学を出てもツテがないと思うようなところに就職できないという。国内には仕事が少ない状況らしい。
GDPだけで語れるものでもないだろうが、一応指標として使い続けると、農業が占める割合は35%にのぼり、周辺各国に比べて工業化が格段に遅れている。クルマや機械製品は隣国インドなどからの輸入に頼っている。
外貨獲得の最大の手段は観光。ヒマラヤなどの観光資源には恵まれている。ただ、道路などの基盤整備が遅々として進まない。
国内には仕事が少ないから、海外で働いて仕送りする人が多い。
インドなどからの海外送金はGDPの約24%を占め、この比率は周辺各国に比べると突出して高いそうだ。
私が入った日本のインドカレー屋さんで、実はネパール人の方が働いている確率は約8割にのぼる(笑)(あくまでも個人の主観です。もしかしたら私がネパール人のカレーに自然と惹かれているのかも)。現在日本で働くネパール人は2万人以上。料理人としての労働ビザは他の業種よりも取りやすいらしい。
これまた余談だけど、ネパール人が日本の観光ビザを取るのはとても難しいしめんどくさいそうだ。日本大使館における何度かの「面接」や身元保証人が必要という。日本政府が国内での違法就労を防ぎたいからだ。
ネパールの貧しさの根本原因は、混乱する政治にあるだろう。
2001年に、39年間在位してきたビレンドラ国王(東京大学にも留学経験あり)が王族殺害事件で死亡(他に十数人も)、ギャネンドラ国王(犯人とも疑われる)が王位についたものの、新国王は議会を停止。以後、国王・議会・マオイストによる混乱状態が続いた。
そのギャネンドラ氏は2008年に王権を放棄(贅沢三昧して王室費を使い尽くした挙句、と言われる)、王室は廃止され連邦民主共和制となったものの、政治の実態はまだ追いついておらず混乱が続いている。
最近では少なくなったものの、地方では毛沢東主義派(マオイスト)のテロリストが村をまるごと占拠するなどの武装闘争が続けられていた。マオイストは何人かの首相を出しており、現在の首相もマオイスト党出身だという。
余談だが、つい最近も公式な場での政治家どうしのなぐり合いがあったらしい。
国家予算は52.98億USドル(約4200億円)と日本のだいたい200分の1しかない。
なんとこの国には所得税という制度がないそうだ。これを定めようとすると、大金持ち(貧富の差が極めて激しいという)が声高に反対を唱えるため、導入にこぎつけることができないらしい。
そのような訳で、生活基盤、特に道路や電力供給などの整備におカネが回らないという。(水力発電に98%を頼っているため、乾季に1日8時間の計画停電はザラ。1日20時間も停電したことがあるとか。)
でも、ネパール人にはいい人が多い。
ネパール人は子供の教育には熱心で、英語を話せる子供がすでに半数以上を占めるという(一部はすでに、ネパール語を話せないそうだ)。英語を話せるインド人が英語圏のさまざまな仕事を分担している現状を考えると、将来ネパールがそうした仕事に手を広げていく可能性はあると思う。
しかも、子どもたちの目はきらきらしている。日本の子どもたちの数倍元気で明るい(笑)。
政治はダメだけど、個人レベルで努力している、というのが、私の印象だ。
そんなネパール。今回はどんな人たちに会えるだろうか。
そして、どんな桜を見ることができるだろうか。
6年前と同様、地面を歩いてバスに乗り込み入国手続きへ。 明かりも少ない。 |
宿に着いたのは午前1時前。日本時間だと午前4時過ぎだから、実家出発後24時間近く経って居ることになる。くたびれるはずだ。
期待と不安の中、明日からヒマラヤザクラ探しが始まる。
参考資料
図説 ネパール経済2012(PDF、在ネパール日本大使館)
ネパール(Wikipedia日本語版)
ガイドブック 地球の歩き方 ネパール 2011-12年版
など
上右は機内の昼食、魚の甘酢あんかけ、 下左は機内の夕食、シーフードパスタ、 サラダもパスタってところはちょっと考えて欲しかった(笑)、 下右は機内の夜食、ミートパイ |