モバイラー中ちゃんの気まぐれ桜旅 title

4月5日(日)快晴。午後から曇。

身延山久遠寺



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1998.4.5--身延山久遠寺

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1998.4.5--身延山久遠寺

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身延山久遠寺について
問い合わせ先:
身延山久遠寺 tel 05566-2-1011

旅日記

私は毎朝車の足回りの点検をしている。タイヤや床下機器などの足回りのトラブルは事故につながりかねないからだ。サービスエリアなどで車の床下を覗き込んでいると、時折「何か落としたのですか?」と聞かれることもある(笑)。

今朝例の通りPAで点検をしていて、後輪のタイヤの表面に長さ5cmほどの切り傷を見つけた。こんなことは初めてだ。
少しでも早くタイヤ専門店で調べてもらいたい。そのためにはとにかく東名高速を降りなくてはならない。
トラックがひしめく中、亀のようなのろのろ運転をして富士宮ICで降り、最初に見つけたカーショップに入った。
タイヤを外して調べてもらったところ、トレッド部を通り抜け、タイヤ本体に達する大きな傷だということが分かった。このまま気付かずに走り続けていたらバーストしていただろうと言われた。
もしかしたら事故を起こして旅が続けられなくなってしまったかも知れない。そんなことを考えるとどきどきしてきた。
徳島県の吉良のエドヒガンに向かう途中、突起物のある板が路上に落ちていてそれを踏んでしまったことを思い出した。もしかしたらそれがおおもとの原因で、走っているうちにその傷が広がっていったのかも知れない。
今回の旅では、万一の雪に備えて後輪に発泡ゴム製のスタッドレスタイヤを使っていた。雪道での性能は高いが、タイヤが柔らかいのが難点だ。今回はその柔らかさがあだになったかも知れない。
スタッドレスタイヤの在庫はないということなので、ノーマルタイヤを2本買って取り付けてもらうことにした。もし雪に降られたらいつも車に積んであるチェーンを使うことにしよう。
後輪に使っていたスタッドレスタイヤは、2年前の冬に北海道の凍結路でスリップ一つせず大活躍してくれたものだった。名残惜しいが持っていても仕方ないのでショップで捨ててもらうことにした。
ショップの店員さんたちは、若いのに対応が良く、動きもてきぱきとしている。見ていて気持ちがいい。
大袈裟だが、このショップが私の命を救ってくれたと言えるかも知れない。コックピット富士宮店。私はこの店の名前を一生忘れないだろう。

昼過ぎに、富士宮市の狩宿の下馬桜を訪ねた。源頼朝が枝に馬を繋いだと伝えられる桜で、それが本当なら樹齢800年以上ということになる。
周辺の他の桜は例年より早くほぼ満開になっていたが、下馬桜はまだ1輪も花を開いていなかった。老樹らしく、マイペースで自分の時間を刻んでいるのだろう。
もしチャンスがあれば、もう一度満開の頃に訪ねてみたい。

夕方、身延町内に入った。久遠寺のしだれ桜を見るためだ。
こちらも昨日訪ねた淡墨桜同様人気が高いが、夕方ならば混雑も緩和しているだろうと踏んでいた。昨日も夕方に淡墨桜に行ったおかげで混雑に出合わなかったから。
しかし、日も傾きかけた午後4時頃だというのに寺から2キロほどのところまで車の列が伸びていて、しかも微動だにしない。久遠寺は事情が違うようだ。

「お子さんはいるかい?」 突然歩道から声をかけてきたおじいさんがいた。
唐突な質問にちょっとびっくりした私は、口ごもりながら「ひとりです」と答えるのがやっとだった。
聞けば、おじいさんは渋滞を見かねて、子供連れの車を自分の工場の敷地に案内しているらしい。なるほど、道路沿いの工場の空きスペースに何台か車が停まっている。
「これからお寺まで走ってもいつ駐車場に入れるか分からんよ。良かったら車を停めていきなさい。あんたの足なら30分で歩いていける。」 子持ちではない独身の私だが、おじいさんの好意に甘えさせていただくことにした。

前回に来たときは久遠寺の本堂の近くまで車で登ったため知らなかったのだが、山門から本堂までの間の歩行者用の参道には286段もの上り階段があった。しかも階段の段差が普通の階段よりも大きく、20cmほどもあった。何度も中休みをしないと上り切れなかった。呼吸も苦しくなり、上り切ったあと5分ぐらいベンチで動けなかった。すべての階段の高さが20cmと仮定すると、286段で標高差約60mを登ったことになる。60mと言えば普通のビルで約20階分ということになる。息も切れるはずだ。
参道には、階段ではなく坂道で登る迂回路も設けてあった。お年寄りの多くはそちらを通っておられたようだ。

久遠寺のしだれ桜は今が見頃と言ってもいいだろう。どの木も大きくて見栄えがする。最も大きなもので、枝張りが15mほどもあるだろうか。
夕方が近づくにつれ空を覆う雲が厚くなり、日没の時間が近付くとどんよりとしたまま空が暗くなり始めた。夕陽を浴びるしだれ桜を見たかったのだが、残念ながら次の機会ということになった。

下山して自分の車のところに戻ったが、おじいさんの姿はすでになかった。一言だけでもお礼を言いたかった。


今朝までの睡眠時間:7時間。(+道の駅とみさわで時間調整を兼ねて1時間の昼寝)

今日の食事

今日の走行距離:194Km

今日の宿:中央自動車道談合坂SA


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