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1. 沢に咲くチシマザクラ。 2003.6.28--北海道清里町斜里岳上二股下(73K) |
2. 沢の両側で登山者を迎える桜。 2003.6.28--北海道清里町斜里岳上二股下(81K) |
登山は嫌いである(何度も書くくらい嫌いなのだ。)。
でも、山に桜があるなら、登らなくてはならない。
斜里岳で桜が咲いていたという情報が入った。ここはおととし、私が海の日の連休に桜を見に来て数日花期に間に合わなかった場所だ。
午前9時前に登山道に入る。10分弱で登山道に覆いかぶさるように枝を伸ばした勢いのある桜に出会う。花はすっかり落ちて結実が始まっている。落花しているとはいえ桜に会えるとは幸先のいいスタートだ。
標準タイム通り約40分で下二股着。ここはおととしの7月20日に私が落花直後の桜を見た場所だ。おととしはこの周辺で雪渓が遅くまで残っていたせいで、7月17日に花があったそうなのだ。今年も花があるのではないかと少し期待していたが、すでに花はなく実ができ始めている。
ここからは旧道と呼ばれる、沢に沿った少し厳しい道を登ることになる。カメラ2台、レンズ3本、三脚などを含めた約12Kgという荷物が足かせになっているせいか、標準タイムから次第に遅れていく。無理をしても仕方がないのでマイペースで歩を進める。時折すれ違う下山者から桜の情報を聞き、わずかに花があることを知り少し期待が膨らむ。
途中にある羽衣の滝で休憩していたら、必死に坂を駆け下りてくるご夫婦が現れた。ヒグマでも出たのかと思って聞いてみると、「いつもこんなペース。往復3時間くらいだよ」と言って足早に去っていった。標準タイムで往復6時間近い山を半分の所要時間とはすごい。いろいろな登山者がいるものだ。でも、奥さんはだんなさんに付いていくのがやっとという感じだった。
正午近くに登山者から教えてもらった場所に到着。確かに桜がある。上二股から15分ほど下にある沢沿いの登山道の両側に、計3本の桜が花を付けていた。うち1本は幼木に近く写真写りがよくないので、他の2本を撮る。食事休憩を含めて1時間ほど待ったが、霧はほとんど晴れず、青空をバックにした桜は撮れなかった。
花柄にはほとんど毛が生えていないが、葉の両面にわずかな産毛が生えており、チシマザクラの特徴を備えている。
そこから上二股を過ぎ、胸突八丁と呼ばれる厳しいガレ坂を進む。するとどうだろう、左右に次々と桜が現れるではないか。ただ、残念ながらほとんどが落花して結実を始めており、5分以上花が残っているのは2本しかなかった。もし私が数日前にここに来ていたら狂喜乱舞していたことだろう。
午後1時半、標高1480mの馬の背着。ここから更に30分で頂上に達するはずだが、この先に桜があるという情報はないので、ここで折り返して下山を始める。
再び通った上二股からは、新道と呼ばれる道に入る。こちらでも次々と桜に出会うが、すでにほとんどの花が落ちている。
熊見峠から下二股に下りる道は急坂で、ここでも重い荷物のせいで足が遅くなる。標準タイムからはどんどん遅れるし、何人かの登山客に追い越されたけれど、マイペース、マイペース。
必要かどうか分からないまま買ってきた登山用ストックが、下山においてその威力をいかんなく発揮した。
午後5時半にやっと下山。転倒3回、木に頭をぶつけたこと6回(帽子のせいで視界が悪かった)だった。私が今日最後の下山者だったらしい。
参考までに私が見つけた桜の本数をまとめると次のようになる。必死で歩いていて見逃している可能性があるため、参考程度に見ていただきたい。興味のある方は登山地図と対照していただくとよいと思う。(カッコ内は標高)
清岳荘登山口(670m) | 〜 | 下二股(810m) | 1本 | |
下二股小屋(?)跡 | 1本 | |||
下二股(810m) | 〜(旧道)〜 | 上二股(1235m) | 4本 | うち2本は今回撮影 |
上二股(1235m) | 〜(胸突八丁)〜 | 馬の背(1480m) | 26本 | |
上二股(1235m) | 〜(新道)〜 | 熊見峠(1230m) | 20本 | |
熊見峠(1230m) | 〜(新道)〜 | 下二股(810m) | 27本 |
こんなにたくさんの自生のチシマザクラを見た山は初めてだ。
残念ながら今回は訪れる時期が遅かった。次回は数十本の満開の桜に囲まれてみたい。
くれる夕食 (↑57KB) |