あいにく雨の予報が出ている。しかし、今日は以前から気になっている桜が満開を向かえたという。雨をついて出かけることにした。
行き先は甲府市の金櫻(かなざくら)神社。甲府市内とはいえ市街地を抜けてかなり山の中に入った場所のようだ。ここでは鬱金(ウコン)という緑色の花をつける桜が神木になっていて、この木が満開になったというのだ。
神木は確かに満開だった。うす緑色の八重の花が雨に当たるたびわずかに揺れる。花つきは大変いい。太い枝が、根から1mくらいのところで四方八方に広がっている。
この木は、'金の成る木の金櫻'として有名だという。この季節に神木の花を拝み水晶のお守りを受けると一生金運に恵まれるそうだ。
境内にはこの他、薄紅色の八重桜、ヤマザクラ系、シダレザクラなど、数十本の桜があった。八重桜以外は散り始めか終わりに近い。八重桜とそれ以外では見頃のピークがずれているから、言い方を変えればここは長く花が楽しめる場所らしい。
今日は偶然にも神社の春季例大祭の日に当たり、神楽が奉納されるらしい。気温が下がり身体が冷えてしまったので一旦車に戻り暖房で暖まりながら神楽の始まるを待つ。(ちなみに帰りに通った昇仙峡の気温は9度しかなかった。)
神楽は3部に分かれていた。古く室町時代に奉納された能面を使って行なわれる。舞うのは神楽の特訓をしたという地元の保存会の面々。時々振りを間違えたりもするが見物客は温かく見守る。前の2部は、振りは素朴で優雅だった。最後の神楽は模造の太刀が用いられ、時折太刀で勢いよく切りかかるしぐさが演じられる。切りかかった後の決めのポーズもかっこいい。踊り手の周りだけがタイムスリップしたような錯覚に陥りそうだった。
神楽の後には、踊り手によって餅まきが行なわれた。私も餅を1つありがたくいただいた。
例年は春季例大祭の頃に神木が咲き始めるのだという。祭の時に神木が満開になっているのは珍しいことだそうだ。
金櫻神社というくらいだから、桜を追う私には何かご利益があるかも知れない。水晶の周りに私の干支である辰の彫り物が添えられたお守りと、桜の透かし彫りが施された鈴を買って、雨の神社を後にした。
下は岩魚の塩焼とうまい漬物。 (↑50KB) |