今シーズンの「毎週桜旅」も今日で27週目。昨年9月24日がスタートだったからやっと半年を過ぎたことになる。今シーズンも苦労の連続だった。これから先、一体何週続けられるだろうか。
都内の早咲の桜がそろそろ満開で、休みである土日の2日間とも桜探訪に使いたいところだが、来週末から始まる桜の写真展の準備を土曜日にやらざるを得なかった。今日のほうが天気が悪いのが一層残念だ。
ところで、去年噂を聞いて気になっていた桜がある。浦和市の玉蔵院というお寺の枝垂れ桜だ。
おとといの時点で3分咲きだったそうだ。今日あたりはかなり咲きそろっているかも知れない。そう思って雨を押して訪ねてみた。
駅からの道を歩いていると、工事のネット越しに見事な桜が見えてきた。つい一人で歓声を上げてしまう。
ところが、である。現在お寺の塀を作る工事中で、桜の周りは立ち入り禁止になっているのだ。桜は、高さ3mぐらい、枝の差し渡しは7,8mはあろうかという大きな木である。枝振りはバランスが取れていて実に見事だ。遠目からだが、ちょうど満開ではないかと見える。
桜に近づけないので、工事のネット越しか、手前の木々の枝のすき間から写真を撮るしかない。
このまま去るのは心残りなので、お寺の方に桜の近くに立ち入れないか丁寧にお願いしてみた。しかしながら、工事中で危険なので誰も入れないことにしている、とのお返事だった。
しかたがない。また来年以降に訪ねよう。宿題がまた一つできた。
次に訪れたのは駒場野公園。京王井の頭線の駒場東大前駅の近くにある。
桜仲間のMさんから、コヒガンの満開情報を教えていただいたのだ。
コヒガンは十数本あった。どれも満開で、全く散っていない。たまに花びらが5弁付いたまま地上に落ちているが、これは花食い鳥が子房(種になる部分)を食いちぎって花を落としたものであり、花が終わって散っているのとは違う。
コヒガンはマメザクラとエドヒガンの交配種と言われる。片方の親のマメザクラに似てか、花はやや小さ目である。その代わり、花付きが良くて枝の周りをびっしりと覆う。花を横から見ると、萼筒がやや細長いひょうたん型をしている。コヒガンの特徴の一つである。
小降りの雨の中、若い女性が2人で食べ物や飲み物を広げてお花見をしていた。食べ物を狙ってか次第にのら猫が彼女たちの周りに集まり始めたが、悪さをするでもなく散り散りに去っていった。
園内にはこの他にもたくさんの種類の桜が植えられている。オモイガワは満開を過ぎて散り始め、オオヤマザクラは咲き始めだった。秋・冬にも咲くジュウガツザクラ、フユザクラは、すでに春の花を付け始めていた。園内のソメイヨシノも、都内の他の場所のソメイヨシノと歩調を合わせるかのように3分咲きぐらいまで花を咲き進めていた。
他には、オオシマザクラ、ヤエベニオオシマ、ヤエベニシダレ、シダレザクラ、マメザクラ、ヤマザクラ、イヌザクラ、スルガダイニオイ、ウコン、カンザン、ヒナギクザクラ、ウワミズザクラがあるという。私の好きなケンロクエンキクザクラもあるというから、4月下旬といわれる花期にはまた訪ねてみたいものだ。
23日金曜日には東京のソメイヨシノの開花が宣言された。東京ではソメイヨシノは開花から満開まで約1週間を要するから、満開となるのは30日の金曜日頃だろうか。
年度末のため会社を休む訳にはいかないので、週末花追い人の私としては来週の週末までソメイヨシノの見頃が続いていることを祈りたい。