観光客のおばさんが「まぁ、見事な梅だこと。それにここにもウグイスがいるわねー」と言いながら通り過ぎた。
花と鳥の種類はどちらも違っている。花は熱海桜、そしてここに集まっているのはメジロである。
ここ熱海市役所前には、なかなかいい形をした熱海桜がある。周辺の熱海桜に比べて早咲なのだそうだ。咲き具合は7,8分ぐらいでまだつぼみも残っているが、すでに散り始めている花もある。
熱海桜は熱海での呼び名であり、和名はカンザクラだ。カンヒザクラとヤマザクラの交配種である。カンヒザクラの影響が強いのか、桜としてはやや濃い目のピンク色の花をつける。また、これもカンヒザクラの影響か、蜜をよく出すらしい。その蜜を狙って、くちばしが細長くて蜜を吸うのが得意なメジロがよくやってくる。
この時期に熱海で花を見ると梅だと思い込む方が多いようだが、熱海桜も市内各地に約200本植えられている。熱海梅園の入口近くの並木も熱海桜であり、梅とだいたい同じ頃に咲き、梅見の観光客を迎える。
市役所の次に、30本ほどの熱海桜がある糸川遊歩道に行く。ここには1999年、2000年と連続して今の時期に訪れている。しかし、今日はこれまでに比べて花の咲き具合が今一つだ。木によってばらつきがあるが1分〜7分咲きといったところだ。やはり今年の冬の寒さが原因だろうか。
2年連続で好天に恵まれてきたが、今日は少し曇り気味だ。天気が良すぎるとコントラストが強すぎたり写真を撮る角度が限られたりする。一方、曇だと桜本来の色が出にくい。一長一短あるものの、今日は曇天のもとの撮影を楽しんだ。
工事中のため2年連続で海浜公園は高い塀に囲まれていたが、その塀は今年やっと外れていた。塀の上からちらっとだけのぞいていた桜とやっと対面できた。まだ若そうだがいい樹形に育っている桜が何本もあった。これからが楽しみだ。
とは言え、工事は2月15日まで続いているらしく、「関係者以外立ち入り禁止」の看板に阻まれて桜のそばまで行けなかったのが残念だ。
折しも今日は立春である。
やっと本州でも春の桜が美しく見られる時季がやってきた。
うまい刺身だった。海の幸を堪能できた。 |
今日の宿:東京の自宅。