|
|
|||
1. 2001.1.1--東京都杉並区 妙正寺(81K) |
2. 照明を浴びて光る桜。 2001.1.1--東京都杉並区 妙正寺(96K) |
21世紀になる瞬間は、是非桜の前で迎えたかった。実はいろいろな場所を調べていたのだが、昨日行った妙正寺の雰囲気と桜の咲き具合がよさそうだったので、勝手ながらここに決めさせていただいた。
除夜の鐘の響く妙正寺に着いたのは23時30分過ぎ。早速門前の桜の前にカメラとストロボをセットして日付が変わるのを待つ。
私が着いてすぐの頃は門をくぐる人もあまり多くなかったが、年が変わる10分前頃に人が増えた。きっと紅白歌合戦を見終えてから家を出た人たちだろう。
このお寺は広く名前を知られているわけではないらしく、集まってこられるのは近所の方々ばかりのようだ。
曇っているせいか、気温は8度とあまり低くないのがうれしい。ラジオを点け、世紀が変わる瞬間を待つ。
やがてラジオが21世紀の始まりの時報を告げる。私の心の中に21世紀を無事迎えられた喜び、この瞬間を桜の前で迎えられた喜びが広がる。
午前0時前とその後で桜が違う訳では決してないのだが、私の心持ちのせいで、桜が新世紀を祝ってくれているかのごとく輝いて見えた。
ひと通り写真を撮った後、境内に入り、本殿に初詣をする。
普段はあまりおみくじを引かない私だが、今日だけは特別と思い人の列に並んだ。引きあてたのは第45番 吉。ひとりで事を成すのは難しいが、目上の人の助けがあって成功する、といった意味のことが書いてあった。きっと仕事のことだろうと思い、その言葉を大切に心にしまう。
再び門前の桜に戻る。三脚の前にずっと突っ立っている私は、帰りがけの初詣客から「シャッターチャンスを狙っているのですか」と聞かれ、ええ、まあ、といった生返事をする。でも、実は新世紀の桜をぼんやり眺めているだけでうれしいのだ。そんなことを説明しても他の方に分かっていただけそうにないので生返事になってしまう。
午前1時を20分ほど過ぎ、初詣客がほとんど帰り、境内の明かりも消え静かになった。 静寂の中の桜を心に刻みつけ、私はその場を立ち去った。
今世紀もいい桜に巡り合えますように。
そして、いい旅ができますように。
今日の宿:東京の自宅。