11月8日(日) 晴れ。
この季節にふくよかに咲く桜を見るのは、とても不思議な気分だ。 1998.11.8--群馬県鬼石町桜山公園 ↑ click photo(63K) |
冬桜の花はちょっと小ぶりだ。遠くから眺めると梅みたいにも見える。 1998.11.8--群馬県鬼石町桜山公園 ↑ click photo(67K) |
1998.11.8--群馬県鬼石町桜山公園 ↑ click photo(57K) |
98年6月に桜を追う長旅を終えた後もしばらく、三陸海岸や能登半島、そして北海道を旅した。決して桜の旅が嫌いになった訳ではないのだが、桜の開花に合わせて目的地を決めていた旅とは違い時間に制約されないので、自由を満喫することができた。
そして、この不況下にもかかわらず、幸いなことに8月には東京の会社に再就職することができた。写真は趣味として続けるつもりだったので、入社したのは写真とは関係のない会社だ。
再就職してからも、時々いろいろな場所に出かけては写真を撮っていた。ただ、平日は仕事をしているから、撮影旅行は当然土日が中心となる。
そんな私の耳に、群馬県の冬桜が見頃を迎えたという情報が入ってきた。
まだ11月の上旬だからちょっと気が早いかも知れないが、冬桜を見ることが桜を追いかけた今年のしめくくりにふさわしいような気がして、日帰りの小旅行をすることに決めた。
上野から快速電車で約1時間20分、高崎線本庄駅で下車。駅の近くのレンタカー会社で予約していた車を借り、1時間強のドライブの末、最初の目的地である群馬県鬼石町桜山公園に到着した。
約1万7千キロ(その後の旅を含めると約2万4千キロ)に渡って私と一緒に旅をしてくれた軽のワゴン車は今、茨城県の実家で父親の足として活躍している。本当は今日みたいな小旅行も自分の車で来たいところだが、今回の場合は実家まで車を取りに行くとかえって遠回りになるので、レンタカーを借りることにしたのだ。自分の車とはかなり運転感覚が違うし、カーナビも付いていないので不便極まりないが、いたし方ない。
桜山公園は、1908年に日露戦争の戦勝を記念して作られた。ここにはソメイヨシノとカエデが1000本ずつ植えられた。ところが、ソメイヨシノの中にフユザクラ(冬桜)の苗が4割も混じっていたため、この公園は次第に冬桜の名所として知られるようになったのだ。
この冬桜は、冬と春の2回花を付ける。冬の花は、10月の初めから咲き始め、11月下旬から12月上旬にかけて最も花の数が多くなるそうだ。ソメイヨシノのように一気に開花して散るのではなく、長い期間に渡って少しずつ開花していくそうだ。
1973年に大火があり、かなりの数の桜が被害を受けたため、現在では古木は少ないという。
華やかに咲いている桜を見ていると、今年の春に全国各地で出会ったたくさんの種類の桜が思い出されて、ちょっとしみじみした気分になってくる。
あの桜たちは今ごろどうしているだろうか。前年の夏には翌年に咲く桜の花芽ができると言われるが、今年の夏、各地の桜の花芽は順調に成長しただろうか。そして来年も美しい花を咲かせるだろうか。
園内のカエデが色づいていれば、紅葉と満開の桜という不思議な光景が見られたはずだが、残念ながらカエデはまだみずみずしい緑色のままだった。
公園のパンフレットによれば、毎年12月1日には桜山まつりが開催されるという。また、この頃なら桜とともに紅葉が楽しめるらしい。
機会があればまた訪ねてみたい。
この後、同様に冬桜が咲いているという埼玉県神泉村の城峰公園を訪ねた。だが、公園は山あいにあって、まだ午後3時というのに太陽が山の向こうに沈んでしまい、日が当たらないためいい写真が撮れなかった。
ただ、桜の本数は鬼石町桜山公園のほうが多いようだ。
城峰公園では写真をあきらめ、花見をしながら臨時の売店で買ったおやつを楽しんだ。
今日の食事
今日の走行距離:レンタカーで73Km。
今日の宿:自宅