2009年8月2日(日) 晴れ一時曇、夕方ににわか雨 沖縄県宮古島市 |
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1. 1本だけ開花していたカンヒザクラ。 全部で20輪ほど開花していた。 (許可をいただいて撮影) 2009.8.2-沖縄県宮古島市(28K) |
2. 赤と白の花が同居している珍しい様子。 (許可をいただいて撮影) 2009.8.2-沖縄県宮古島市(24K) |
日本のどこかで桜は毎月咲いている。
私はこの95ヶ月間桜を見てきたが、1年の中で8月の桜を探すのが最も難しい。
これまで8月の桜といえば、多少秋の気配を感じ始める8月下旬に、早々と咲いた秋咲きの桜か、夏の暑さの影響で返り咲き(狂い咲き)し始めた桜を見に行っていた。今年もそうだと思っていた。
ところが、である。
昨日の夜、とある集まりに来ておられた知人の奥様が「宮古島の桜ご覧になりました?」とおっしゃる。数日前のWebニュースに宮古島でカンヒザクラが返り咲いたという情報が載ったらしい。奥様がわざわざケータイで検索してくださり、確かにそのニュースはあった(関連→「NNN News リアルタイム」で放送された「宮古島」の紹介内容です。(価格.com、Web魚拓))。ただ、残念ながら島のどこで咲いているかは分からない。
そこに居合わせた上司や知人は、私が桜を追いかけていることを知っていて、明日にでも行った方がいいのではないか、と勧める。また、取引先の社長さんも、8月の桜を早めに見て後半は仕事に打ち込んで欲しい、と冗談交じりにおっしゃる(その取引先のために、8月中旬に重要な仕事がある予定なのだ)。
…取引先の依頼もあるわけだから(笑)、これは行くしかない。
集まりとは、その取引先主催の、横浜の花火大会を見る会だった。花火大会の混雑でケータイが通じにくくなっている中、なんとかJALのページにつなぎ、残り2席という貴重な座席のうち1席を予約させてもらった。しかしながら、定価で往復115,600円という、桜旅史上最高額の日帰りとなるので気が重い。(月曜からはその取引先のための仕事が山積みなので、休暇はとれないのだ。取引先も上司もその場にいるから仮病はもちろん使えない(笑)。また、夜遅いからチケット屋で株主優待券も買えやしない。)
更に、まだ島内のレンタカーも予約できていないし、第一どこで咲いているのかさえ分からない。
ま、半ばやぶれかぶれ、半ばなんとかなるさ精神で、宮古島に飛ぶことにした。
宮古行きのチケット。 これ、1人だけの往復分です。 あぁ。 (↑27KB) |
宮古島は、南国らしい、バケーションにうってつけの好天だ。空の色が深みを帯びていて東京とは決定的に違う。日帰りなんかじゃなければ本当にいいのだが。
幸いにも空港で3,150円という安いレンタカーを借りることができた。次は、「どこで咲いているか」というもっとも重要な謎を解決しなくてはならない。
観光協会では不明。たまたま知り合った地元の方もご存知ないという。日テレにも出たそうなので、島で唯一のテレビ製作会社に問い合わせるが、担当者が休みとのことでよく分からない。レンタカー屋のおにいさんが、数日前の新聞にも載っていたという貴重な情報をくださったが、実際の新聞は捨てちゃったようだ。それならと、新聞社に出向いて伺ってみると、幸いにもおおよその場所は分かった。
次はその場所のご近所で住人の方に伺って回る。おそらくあのお宅だろう、という目星はついたのだが、行ってみると大変残念なことにお留守だ。
ここにたどりつくまでに20人くらいの人に伺ったことになるのだが。
エメラルドグリーンの海が広がる。 これ見たら泳ぐしかありません。 砂山ビーチにて。 (↑27KB) |
夕方、再度お宅にお邪魔してみる。玄関は開いていたのでラッキーと思って声をかけるがやはり誰も出てこない。残念、どうしよう、と迷っていると、裏庭から物音が。おじい(おじいさん)が飼っているヤギの世話をされていたのだった。
桜は咲いていますか、と伺うと、まだ残っているとのこと。あぁ良かったー。このお宅であっていた。おじいは快く裏庭に案内くださった。
おおー、咲いてる咲いてる。緑濃い葉の合間にピンク色の桜がちらほら。つぼみもあちこちにある。だいたい20輪くらいは咲いていただだろう。
ここにあるのは沖縄で大多数を占める種類・カンヒザクラ。4本お持ちのうち、1本だけが今年突然夏に開花したそうだ。これまでにこんなことはなかったという。新聞記事の中では植物の研究者の方にも聞いているが、なぜこの木が開花したかは分からないそうだ。
私はこれまで何箇所かでカンヒザクラの返り咲きを見ている。そのときは、台風で葉が落ちた後に開花していた。台風による落葉を、冬が来て葉が落ちたと勘違いし、その後暑くなると今度は春が来たのだと思って桜が開花するらしい。だから、そのときの木々は葉がかなり落ちていた。
でも、今日の木はまだ青々した葉をたくさん茂らせているから、以前の現象とは違うようだ。でも、なにはともあれ咲いている花を見ることができたのだからとてもうれしい。
桜の返り咲きは、翌春に咲くべき花が早まって開いたものだ。(今年春の花芽が残っていたわけではない。) だから、来年前半まで続く、桜のシーズンがこれで始まったと言える。
こうして、最難関だった8月の桜を見ることができ、96ヶ月連続花見を達成できた。9月からは日本のあちこちで秋の桜が開花するから、おそらく順調に記録を伸ばせるだろう。12月には100ヶ月の大台にのるはずだ。
桜を見せてくださったおじいに、そして、今回の桜について貴重な情報をくださった皆さんに心から感謝したい。
最後に。やっぱり東京−宮古島日帰りなんてするもんじゃない。これまでの、女満別、帯広、札幌(2回)、那覇(これは仕事)という日帰り旅行の歴史に、宮古島まで加わってしまった。11万5千円の航空券が実にもったいない。もっとたくさん宮古島を楽しみたかった。いつかじっくり宮古島回ってやる。
中段はふわふわアイス、 下はうまいソーキそばと雑炊 (↑37KB) |