2006年6月13日(火) 晴れ時々曇 北海道斜里町 羅臼岳 |
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1. 私が勝手に「羅臼の女王様」と 名づけた大きな千島桜。 右下のところから何十本もの枝が八方に伸びている。 花が咲いているのを見るのは初めて。 残念ながら、花数が少なく、しかも5分咲きだ。 2006.6.13-北海道斜里町 羅臼岳登山道(弥三吉水手前)(83K) |
2. 別の桜。これは花付きがいいほうだ。 2006.6.13-北海道斜里町 羅臼岳登山道(85K) |
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3. 千島桜のアップ。 平地に植えられた千島桜と違って、 山の桜は花数があまり多くない。 2006.6.13-北海道斜里町 羅臼岳登山道(74K) |
登山は嫌いである。
でも、山に桜が咲いたら、仕方がない。
登るしかない、か。
羅臼岳の登山道の途中で桜が満開から散り始めになったとの情報が入った。ただ、どの場所の桜が満開なのかというはっきりした情報はない。登山道の桜には標高差があるので、下が散り始めでも上は咲いていないということだってあり得る。
今回の目的の1つは、「羅臼の女王様」が咲いているのを見ることだ。
この名前は私が勝手につけたもの(笑)。平地でさえも珍しい、大きな千島桜だ。
1週間ほど前に、登山道で親子熊に追いかけられた人がいるという。霧の中、こともあろうにマウンテンバイクでダウンヒルをしていて、2匹の熊の間をすり抜けてしまったらしい。その人は母熊に追いかけられ、自転車を捨てて逃げ下りたそうだ。(自転車はその後回収。)
親熊は怒っただろうなぁ。今日出てきたりしないでくれよなぁ。
重さ約15Kgの荷物を背負い、午前9時前に登山道に入る。すぐに始まるジグザグの急坂に、嫌いな登山へのチャレンジ心をいきなりくじかれそうになる。
標高500m付近で、アリの大群を見つける。熊はアリが大好きなので、この辺でよく遭遇してしまうらしい。今日は熊鈴とラジオ、そして熊スプレー(とうがらし)で武装している。行きは幸いにも出会うことはなかった。
沖縄ではハブを恐れ、北海道では熊を恐れる。花見も意外と命がけだ。
途中6ヶ所に雪渓が残っていた。大きな雪渓ではコースが全く分からなくなったが、幸いにも下山者が1人来て教えてくれた。この人がいなかったら1日中迷っていたかも知れない。「上で熊を見ましたよ。遠かったけど」。マジっすか。
荷物のせいか、コースタイムから30分ほど遅れてやっと極楽平着。このずっと手前に女王様がいたはずなんだけど、悪路に気をとられて気づかなかった。1時間ほど探したけど、やっぱりいない。
あれだけの大桜だから、仮に枯れたとしてもかなりの痕跡を残すはずだが...。
半ばあきらめて下り始めたら、やっぱりいましたよ、女王様!
やはり下り道のほうが気づきやすいらしい。
根回りは1mを超えていると思われ、何十本という枝が四方八方へ伸びている大樹だ。枝の高さは2mくらい、差し渡しは5mもあろうか。
樹齢の推定は難しいが、50年以上、もしかしたら百年を越えているのかも知れない。
花数は残念ながらあまり多くない。しかもまだ5分咲きだ。山の桜の情報は極めて入りにくいから、こうしてあてずっぽで登るしかない。今回はちょっとタイミングを外したようだ。
2,3日後に再度登りたいところだが、他の場所から開花情報が入っているので難しい。また来年以降に挑戦したい。
改めて、極寒、大雪、強風という厳しい環境に耐えてよくぞこれだけ成長したものだと感心する。
この他にも花を付けた桜を10本ほど見つけた。登山道沿いで10本だから、山全体だともっともっとたくさんの桜が開花していたに違いない。
午後4時半、熊に遭うこともなく(大きなオス鹿には道を邪魔されたが)、無事下山。
女王桜に会えたのは良かったけれど、疲れるし、危ないし、熊は怖いしで、やっぱり登山は好きになれないなぁ(笑)。
上右は岩尾別温泉無料露天風呂、 下左は生にぎり寿司、 下右は追加したいくら巻き (↑63KB) |