2005年7月2日(土) 曇一時晴れ 長野県小谷村 栂池自然園 |
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3. 桜のアップ。 2005.7.2-長野県小谷村 栂池自然園(28K) |
とうとう一年で最も桜を探すのが難しい夏がやってきた。
まだ見たことがない信州志賀高原横手山の桜は1〜2週間前に終わり、
北海道知床半島羅臼岳の桜もやや早めで、もう見られないかも知れない、
等々、あまり芳しくない情報ばかりだ。
先々週に訪れた黒岳5合目は落花したが、旭岳温泉はまだ開花中。でも、2回続けて同じ場所に行くのもなんだかくやしい(予約が当日に近すぎるから定価に近い航空券代を払うのもシャクだ)。
そんな中、白馬岳近くの栂池自然園の桜がやや満開過ぎだという。3年ぶりに出かけてみることにしよう。
新宿から特急→白馬駅からバス→ゴンドラリフト→ロープウエイという行程で、約5時間半で栂池自然園着。
ビジターセンターの方から、「昨日も桜を撮りにきた方がいらっしゃいましたが、昨夜の雨で散ったかも知れませんよ」とおっかない説明を聞いた後で園内へ。
湿原内3叉路近くの2本の桜は、ほとんど花を落としている。あぁ、やっぱり。
でも、風穴の手前にある、私が好きな「岩乗り桜」(私が勝手に命名したので念のため)はまだ花を残していた。やった。
岩の横幅は2,3m、高さは1mぐらい。その岩の上で、太さ15〜20cmもある幹がたくさんの方向に枝分かれしているのだ。枝張りは直径5m以上はあるだろう。立ち入り禁止のロープが張られているため、岩の向こう側にあるはずの根の部分がどうなっているかを確かめることができない。岩の上に積もった落ち葉などの上で発芽したか、地面から幹が岩を伝って這い上がってきているのではないかと思う。
こんなに過酷な状況の中で、よくここまで育ったものだ。桜の生命力の強さにほとほと感心する。
桜の種類はタカネザクラと言われるが、葉の表裏に細かい毛が密生していて、ややチシマザクラの特徴も見える。ただ、タカネとチシマの特徴には連続性があるので、専門家によれば厳密に区別する必要はないとのことだ。
梅雨の真っ最中ではあるが、雲は多いものの雨はほとんど落ちてこず、とてもラッキーだ。
ただ、白馬岳が霧に隠れてなかなか顔を出さない。桜の前で1時間半ほど待ったが、最初にちらっと姿を見せて以後全くだめだ。園内を半周して、さあ帰ろうとしたときに再び姿を現したが、残念ながら空が青くなかった。まぁ、毎日来ているわけではないので多少条件が悪いのも仕方がないだろう。
待ち時間の間にうろうろ歩き回ると、岩乗り桜の周りで4本の桜を見つけた。うち小さい2本は満開、1本は咲き始め、大きな1本はまだこれからという感じだ。その大きい桜は、他の木に負けないよう枝を4mくらいも伸ばしていた。生きるたくましさを感じざるを得ない。
ここは高原だから虫たちにとっても夏が短い。そのため忙しいのだろうか、天気待ちをしている私の周りをぶんぶんと飛び回る。私の身体にたくさんたかってくる。ひどいやつは私がつぶった目をこじ開けて入り込もうとする(笑)。カメラのレンズの前を飛ぶ羽虫も迷惑だった。
ここを離れた後も、身体のどこかを虫が這っているようなむずむずする感じが1日中残っていた。
結局、3時間の滞在で9本の桜を見つけた。
湿原内3叉路近く | 2本 |
風穴に向かうメイン通路沿い | 左右に1本ずつ(左の1本はかなり大きい) |
風穴手前約100m | 5本(岩乗り桜含む) |
桜探しが難しい7月を、ことしも何とか乗り切れた。
これで今シーズンの旅は終わり、と言いたいところだが、海の日の連休に北海道に行く予定にしていて、もしかしたらそこで桜を見つけることができるかも知れないので、終了宣言は先送りにしておきたいと思う。
どうか再来週も桜に会えますように。
下はうまいそばの定食。 (↑55KB) |