2004年5月16日(日) 曇一時雨
北海道大樹町 十勝育成牧場、
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今週月曜日のフェリーで北海道を離れたばかりだから、6日目の再渡道になる。
6日目にして再び飛行機で訪ねるのはちとばかばかしい気もするが、水・木・金と会社に行っていたので仕方ない。
また、昨日土曜日は旅と仕事の疲れが残っていたのと、たまっていた用事を済まさなくてはならなかったので旅に出られず。そのため今日は北海道日帰りとなった。
今日は見所いっぱいの強行軍なので、私にしては珍しく区間距離や目標時間などを前夜にまとめておいた。普段なら時間を気にせずある程度納得するまで撮影できるが、今回はそうはいかない。今回は1箇所の撮影時間を30分までと決めていて、おおよその出発予定時間も定めている。レンタカー会社には、帰りのフライトの1時間前には帰着するよう言われている。一応2時間前には到着する予定を立てた。
さて、うまくいくだろうか。
羽田発帯広行きは7:40発。7:00に空港に到着すると、特別警戒の影響で手荷物検査には長蛇の列ができており、手荷物検査が終わるまでに30分を要した。私はなんとか出発時刻までに連絡バスに乗れたが、その後も数人がばらばらとバスに乗り込んでくる。結局飛行機の出発は15分遅れた。しかし、日曜は自衛隊の海上訓練が休みで青森沖の訓練空域をショートカットできることと、強い追い風のおかげで、帯広空港には定時に到着。運が悪いようでいて結局救われた。
空港にてレンタカーを借りるが、カーナビの使い方がしばらく分からず、出発は15分遅れて9:45に。どうしてカーナビってこんなに操作性が違うんだろう。ついでに最初の目的地がカーナビに載っておらず道に迷ってしまい、道を聞こうにも周りには誰もおらず、結局到着は20分遅れ。先が思いやられる。
十勝育成牧場には、百年桜と呼ばれる木がある。この牧場の前身となる施設ができた昭和9年にはすでに植えてあったことと、桜に詳しい人から百年は経っているでしょうと言われたことから、この名前がついたそうだ。
樹幹10m弱、高さは5m以上はあろうか。直径1mほどありそうなたくましい幹を見ると、確かに百年ぐらい風雪に耐えてきたのだろうと納得する。
花つきのいい枝とそうでない枝が混在している。桜はすでに散り始め。桜の足元にピンクのじゅうたんができつつある。
この桜以外にも、施設内にはざっと見ただけで十数本の桜があったが、今日は撮影している余裕がない。結局15分遅れでここを出発。
次の目的地、新田牧場には時間通り11:30に到着。目的である風雪の桜のある場所には立ち入り許可が必要とのことで事務所に伺う。牧場の方は立ち入りを許可してくださったが、「数年前に雪で枝が折れてしまったんだよね」とショッキングな発言をされる。事務所の壁には折れる前の見事な写真があったが、桜はどのように変わってしまったのだろうか。
風雪の桜とは、厳しい自然条件の中で幹が複雑に折れ曲がりつつもたくましく生き続けて花を付けている1本の桜のことだ。一旦は上に向かって伸びた幹が、雪の重みで真下に向かい、そこからまた上に方向を変えている。現在は、道から見て左上に伸びていた見事な幹がなくなっており、かなり寂しくなってしまっている。この牧場には約200本の桜があり満開のものが多いが、風雪桜はそれらに比べると花時がやや早いのか5分散りぐらいになっていた。
大きな幹を失ったものの樹勢はまだ衰えていないようだ。何十年も経てば再び大きな枝を広げるかも知れない。
人なつこそうな犬が私のそばに寄ってきた後、一緒に遊びたいのか私が撮影している間じゅう近くでお座りしてずっと待っている。
ごめんね。今日は時間がないんだ。また会おうね。
昼食に時間がかかったのと、次の目的地ではカーナビの設定を間違えて少し時間をロス。双子の桜に着いたのは15分遅れ。
双子の桜は2本の桜だ。でも、遠くから見ると1本のようにも見える。
小さな丘の上にあり、ちょっとロマンティックだ。双子とは言うものの、2本の木の大きさと枝ぶりはかなり違う。大きいほうが小さいほうを守っているようにも見える。
今日は曇なので、桜の花が白っぽい空に溶け込んでしまう。天気が残念だ。
あちこち動き回っていい構図を探していたので出発は結局1時間遅れ。余裕がなくなった。
次の目的地は朱円小学校。校舎の前に桜園がある。学校には約300本の桜があるという。
桜は散り始め。近所のおじさんが「昨日が見ごろだったねぇ」と教えてくれた。
日没が近づき暗くなってきたので、あまり良い写真にはならない。
最後の目的地は光岳(こうがく)小学校。長野五輪銅メダリストである美人スケーター岡崎朋美さんの出身校だ。ここにも校舎の手前に桜園があり、約200本のオオヤマザクラが植えられている。樹齢80年以上の古木も36本あるという。昭和9年の校地整備に伴い、地元の人たちが寄贈したのが始まりだそうだ。確かにどっしりとした古木があちこちで目に留まる。
本州とその以南では、桜が学校に植えられている場合、多くが染井吉野である。染井吉野は見た目は豪華だが、どの木も親木と全く同じ遺伝子をもっているため、見た目も開花時期も基本的には同じである。一方、オオヤマザクラやヤマザクラは自然のものであるため、たとえ植栽したものであっても個性がある。例えば、花の色が白なのか、ピンクが強いのか。花は大き目か、小さ目か。葉の色が緑なのか、赤が強いのか。花と同時に出てくる葉の多さ。そして花時、など。
最近の学校教育は個性を生かす方針に転換しつつあると思う。そんな中では、学校に植える桜もオオヤマザクラやヤマザクラのような1本1本に個性のある種類にすれば、子供たちが感じ取るものが変わるのではないかと思う。
周囲が真っ暗になった中、なんとか出発1時間15分前に女満別空港着。
あわただしくて少し物足りなかったけれど、充実した日帰り旅行だった。
下はボリュームのある チャンチャン焼きセット。 (↑48KB) |