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1. ヒマラヤザクラの雄姿。 2000.12.10--静岡県熱海市(42K) |
2. 国内の桜に比べると、ピンク色が濃く、めしべ・おしべが長い。 2000.12.10--静岡県熱海市(60K) |
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3. 桜の向こうに虹が出た。 2000.12.10--静岡県熱海市(58K) |
唐突に風邪をひいてしまった。
先月末の1週間は仕事が毎日深夜まで続き、体力が落ちているのを感じていたのだが、リカバリーする暇もなく流行りの風邪にやられ、週中に微熱が出てしまった。
今日もまだ本調子ではないが、今しか咲かないヒマラヤザクラが満開になったと聞き、重い体を引きずって出かけることにした。
ヒマラヤザクラは熱海市多賀にある。JR伊豆多賀駅から一旦海沿いの道まで下りた後、再び坂を登ったところにある。徒歩で15分程度だが、風邪をひいて体力が落ちている身にはちょっとこたえる。
東京大学に留学中だったネパールのビレンドラ皇太子(現国王)が伊東市を訪問された際、熱海植物友の会が熱海の桜と梅の種を献上した。その返礼として、昭和43年にこのヒマラヤザクラの種子が送られてきたという。
桜熱海高校の下にあるコンクリートの斜面のすぐそばに立っている。根のすぐそばまでコンクリートが張られているので、根が呼吸できなくて息苦しいのではないかと思う。
桜の北側には、段段畑のようになった場所があり、その段毎に桜が植えられている。これは想像だが、最初にここを桜園にしようという計画があり、その一環としてヒマラヤザクラもここに植えられたが、後からコンクリートの斜面がさくらぎりぎりのところまで作られてしまったのではないだろうか。
ヒマラヤザクラがちょっと窮屈に感じているような気がする。
それでも、最も大きい木は高さ15mほどにまで成長し、見事な枝振りを見せている。
花の色は、国内の桜に比べると濃い目のピンク色だ。花は一重五弁。おしべとめしべが長く、花を横から観察すると飛び出して見える。花びらの、花の付け根に近いところが細くなっていて、ちょっと貧弱な印象を与える。葉は長さ6,7cm程度しかなく、やや小さめだ。
私は秋からジュウガツザクラ、コブクザクラ、フユザクラ、シキザクラなどの桜を見てきた。それらの桜は春にも花を付けるのだが、ヒマラヤザクラは今の時期にしか咲かないのだそうだ。そのせいだろう、秋からこれまでに見てきた桜の中で一番花が多く、最も懸命に咲いているような気がする。
つい最近新聞に取り上げられたらしく、1時間に2,3組は見学者がやってくる。意外な大木に感心している人が多い。
地元の人が、コンクリートの斜面の途中にある、踊り場のようなところに腰掛けて桜を眺めているのに気付いた。ずいぶん長い間そこに座っているので、さぞかしいい場所なのだろうと思って行ってみたら、その通りだった。桜の枝振りが見事で、向こうに海が見える。私もそこでしばらく桜の眺めを楽しんだ。
午後4時近くなると雨が降ってきた。風邪をひいている私にとって弱り目にたたり目とはこのことだ。ダウンジャケットのフードをかぶって駅まで急いで戻った。
今日の昼食。電車が東京駅を出た途端に包みを開いてしまった。 |
今日の宿:東京の自宅。