サトザクラが満開だと聞いて新宿御苑に出かけた。
サトザクラとは1種類の桜を指すのではない。もともとは、オオシマザクラがもとになり、他の桜が自然交配したり、人為的に交配が行なわれた結果できあがった品種の集まりだ。ただ、一般には栽培品種の総称としてサトザクラという名前が使われることが多い。
今日、御苑で見かけたサトザクラは、イチヨウ(一葉)、フゲンゾウ(普賢象)、カンザン(関山)、そして緑色の花をつけるウコン(鬱金)、ギョイコウ(御衣黄)だ。
イチヨウ、フゲンゾウは淡紅色の八重咲きの桜だ。昔の人が描いた象の絵を見ると、なぜか長い鼻がぐねぐねと曲がっていることがある。きっと象を見たことがなく、遠くからやってきた旅人から伝え聞いて絵を描いたせいだろう。フゲンゾウの花の中心からは2本のひょろひょろと曲っためしべが伸びている。これが普賢菩薩の乗る白象の鼻に例えられ、フゲンゾウという名前が付けられたという。
カンザンはやや濃いピンク色の八重咲きの桜だ。寒さや病害虫に強いため、最近ではあちこちに植えられているそうだ。
ウコンは、鬱金の根で染めた布の色に似ていることからこう名づけられた。鬱金はカレーに入っているターメリックと同じだ。桜のウコンは薄い黄緑色の八重咲きの桜でよく目立つ。欧米でも緑色の桜として珍重されよく植えられているという。今日見た中では唯一ウコンだけが少し散り始めていた。
ギョイコウも緑色の桜だ。薄緑色の花に、濃い緑や白、ピンク色の筋が入ることがある。一見すると桜とは思えない不思議な花だ。
今日は風が強くて桜の枝が始終揺れている。特徴のある花々のアップの写真を撮れなくて残念だった。
御苑を出た後、紀尾井町の弁慶橋近くに行ってみた。1週間ほど前に仕事でこの辺りを歩いていて、カンザンの桜並木を見つけたからだ。その時はまだ咲き始めだったが、今日はほぼ満開だ。ただ、ホテルの建物の陰になってしまって日光が当たらず、あまりいい写真は撮れなかった。
今日の新宿御苑では、家族連れやカップルなど、たくさんの人が花見を楽しんでいた。
ソメイヨシノ真っ盛りの御苑には来たことがないが、相当混雑するらしい。今日のように遅咲きの桜が咲く暖かく、空いている日のほうが、花見にいいのではないかと思う。
今日の車での走行距離:0Km。
今日の宿:東京の自宅