1999年12月26日(日)東京は晴れ。新潟県では曇時々雪。時折あられ。
新潟県村上市 安善寺
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1999.12.26--新潟県村上市 安善寺(82K)
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3本の桜の中で一番小さな木。
1999.12.26--新潟県村上市 安善寺(92K)
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安善寺について
- 問い合わせ先:
- 安善寺 0254-52-3459
旅日記
新潟県村上市で桜が咲いたと聞いた。本当は寒いのは大嫌いなのだが、雪と桜の取り合わせは貴重なので、しぶしぶ出かけることにした。
桜が咲いていたのは、村上市の寺町地区にある安善寺というお寺。
朝、上越新幹線の時刻を勘違いして村上到着が予定より2時間近く遅れた上に、雪で特急が遅れたせいでバスに間に合わなかった。出費は痛いがタクシーに乗り、安善寺まで連れていってもらう。タクシーの運転手はおばさんだった。「桜を見に来た」と言ったら、「じゃあ私も話の種に見ておきます」と言う。
桜は3本。うち2本は境内のお墓の上に大きな枝を張り出している。女性運転手は1,2分桜を見ていたが、ちょっとがっかりした感じで立ち去った。春のような満開の桜を期待したのかも知れない。この秋・冬に私が見てきた他の桜と同様、花芽がすべて開いてはおらず、ぽつぽつと開花しているだけだ。
この桜は山桜系なのだそうだ。約30年前、事情があって境内にあった樹齢100年以上の桜を伐採した。その根を別の場所に植えたところ、今の3本の桜に成長したという。
寺の方によれば、桜は冬から次の年の春まで少しずつ咲きつづける、春が一番花の数が多い、とのことだった。
桜は一重咲き。種類としてはフユザクラに近いのかも知れない。
タクシーの運転手が、寺の名物は古い山門だと言っていたが、古くて木彫りの見事な立派な門だった(特に解説板などがなかったので詳しく分からなかったのが残念)。その山門をバックに桜の写真を何枚か撮った。
寒いのが嫌いなこともあって冬の日本海側にはほとんど来たことがなく、気候のことは良く知らないが、時折青空が覗くかと思えば急な突風と共にあられが落ちてきたりして変化が激しい。カメラを濡らさないように守るのが大変だった。また、境内には2,30cmの積雪があり、足場が悪いのも辛い。靴の中にしょっちゅう雪が入ってきた。カメラの三脚が雪に埋まらないよう、最初に雪を踏み固めなくてはならなかった。
午後3時ごろで気温は2度しかなかった。日中の東京ではほとんど体験できない気温だ。でも、後で入った和菓子屋のおばさんは「今日はまだ暖かいほうですよ」と笑っていた。
やはり私は寒いところには住めそうにない。
今日の食事
- 朝:例の通り食パンにプルーンジャム。
- おやつ:せっかく村上に行くのだから、今日の昼食は有名な鮭料理を昼食にしたい。だが、村上駅に着くのは午後1時過ぎだから、きっと食事にありつけるのは2時以降になるだろう。空腹をがまんするため、新潟駅でベビースタージャンボラーメンチキン味を買った。特急列車ではせっかく隣に若くて美しい女性が座ったにも関わらず、空腹には勝てず行儀悪くばりばりほおばる。
- 昼:午後3時過ぎになってやっと鮭料理にありつけた。安善寺の近くの松浦家という料亭で、お任せコースを頼む。
氷頭(鮭の頭の部分)なます、鮭塩辛(2年以上漬けないと生臭さがとれないという)、鮭味噌(鮭のほお肉と味噌を和えた絶品。ご飯が何杯でもいけそう)、なわた煮(白子の煮物)、鮭がじ煮(雅びな煮物という意味。すまし汁に柚子の香りがうれしい)、鮭酒びたし(鮭の身に酒を塗って軒下で干したもの。昔は酒を使ったが、今はみりんが使われることが多いという)、塩鮭の切り身の焼き物、それにごはん、白菜ときゅうりの漬物、奈良漬。追加で鮭湯あらい(鮭の刺身を軽く熱湯で洗ったもの)、鮭のルイベ(ご存知半解凍の鮭の刺身)を頼んだ。
村上市の三面川では昔から鮭漁が盛んで、平安時代に都に献上した記録も残っているほどだという。また、江戸中期には青砥武平治という武士が、おそらく世界で初めて鮭の回帰性(生まれた川に帰る性質)を発見し、産卵場を作って鮭の増殖に努めたそうだ。明治以降には人工孵化法も取り入れ、ますます鮭漁が盛んになった。
鮭漁の歴史が長いため、鮭料理の種類もとても豊富だ。松浦家にはなんと100種類以上の料理法があるという。焼き物の他、ルイベや寿司、石狩鍋、ちゃんちゃん焼き(味噌焼き)ぐらいしか知らなかった私にとっては驚きだった。最近は鮭の消費量が頭打ちで、せっかく人工ふ化によって鮭が豊漁になってもあまりもうからないそうだ。こうした昔ながらの料理法を全国に広めれば、鮭がもっともっと食卓に上る機会が増えるのではないだろうか。
とにかく、いろんな種類の鮭料理にびっくりし、しかもどれもおいしくて、大満足の昼食になった。空腹を我慢した甲斐があったというものだ。
- 再びおやつ:もう一つの村上名物(迷物?)、鮭アイスクリームを駅の待合室でストーブにあたりながら食べる。甘い中にちょっとだけ鮭の香りがするが、いやな感じではない。時折舌の上を細かい鮭の身が通過していく。不思議な食感のアイスだった。
ところで、新潟駅のKIOSKで、先週吉祥寺駅で見つけた雪苺娘(ゆきいちご)に再び出会った。その時は甘いものを食べる気分ではなかったので帰りに買おうと思っていたのだが、帰りの電車が雪で遅れ新幹線の接続時間が短くなってしまったためgetできなかった。ちょっと残念。もしかしたら製菓会社があちこちのKIOSKに卸しているのかも知れない。他の場所でも出会えるかも。
今日のお土産:村上市内の和菓子屋「角銀」で、「鶴の卵」というおまんじゅうを買う。雪のように白くてやわらかいおまんじゅうの中に黄身のあんが入っている。見かけも味もなかなか上品だ。翌日会社に持っていったら、同僚にも好評だった。
今日の車での走行距離:0Km。
今日の昼寝:行きも帰りも電車で1時間弱。
今日の宿:東京の自宅。
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