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2011年10月30日(日)
曇一時薄日
宮城県石巻市 釣石神社、日和山公園、名取市 閖上小学校
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1.
秋の返り咲き(狂い咲き)のせいか、
オオヤマザクラとしては小さめの花が咲いている。
50輪ほど。
2011.10.30-宮城県石巻市 釣石神社
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2.
りっぱなオオヤマザクラ。
ここには約30本の桜があったそうだが、
この1本を除いてすべて枯れたため、
切られたとのこと。
左の崖の中腹に見えるのは、
神社の名前の由来になった、
落ちそうで落ちない大石。
2011.10.30-宮城県石巻市 釣石神社
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3.
釣石と桜。
2011.10.30-宮城県石巻市 釣石神社
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4.
たまたま訪ねてみた公園で
十月桜が咲いていた。
2011.10.30-宮城県石巻市 日和山公園
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5.
四季桜という札がかかっていたが、
四季桜は一重。
これは八重咲きなのと、やや細長いガクの形から
十月桜だと思う。
2011.10.30-宮城県石巻市 日和山公園
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6.
返り咲きした染井吉野。
(許可を得て撮影)
2011.10.30-宮城県名取市 閖上小学校
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7.
校庭のはしにある桜。
このうち4本で花が咲いていた。
(許可を得て撮影)
2011.10.30-宮城県名取市 閖上小学校
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旅日記
東北の太平洋岸各地でまた桜の返り咲き(狂い咲き)情報が入ったので行ってみた。
今年8回目の東北となる。
石巻市の釣石神社には、1本だけ残されたオオヤマザクラで50輪ほどの開花。小さな花が寒そうに揺れている。この木の手前はただの空き地になってしまっているが、おそらくここには大きな建物などがいくつもあったことだろう。なにもなさが悲しい。
ここは流路を変更された北上川(元の追波川)の河口に近く、すぐ向こうは太平洋という場所だ。この桜もかなりの高さまで津波を浴びたそうだ。そのために体調を崩し、早々に葉を落としてしまっている。早めに葉を落とすと桜は返り咲く可能性が高くなる。
追波(おっぱ)集落の家々はほとんど流され、今残っているのは数軒のみという。
たまたま桜の名所という日和山公園に立ち寄ってみたところ、秋咲きの桜が2本咲いていた。札には四季桜とあるがおそらく十月桜だろう。こちらは高台にあり津波の被害を免れている。やはり海からの冷たい風に花が揺れる。
展望台からは市内と港が見渡せる。建物はぽつぽつとしか残っておらず、港にはうず高く積まれたガレキの山ができていた。
最後は名取市の閖上(ゆりあげ)小学校。やはり津波の被害を受けた場所だ。
校庭には私が数えた限りで17本の桜があったが、このうち4本が、1〜50輪ほど咲いていた。桜の根元に近づくと少し海の香りがする。おそらく土の中に塩分が残っているのだろう。
土に塩分があると葉先に水が行きにくくなり、葉が早く落ちることがある。そして、秋の早いうちに葉が落ちると、さっきのオオヤマザクラのように返り咲くことがある、というメカニズムだ。
校舎やグラウンドが津波の被害から復旧できていないため、児童は同じ市の不二が丘小学校で授業を受けている。でも、今日は2階の教室から和太鼓と笛の音が聞こえる。おそらく、鎮魂の行事に向けて練習しているのだろう。
学校の周囲は半分くらいの家が土台だけになっていたり、残った家も壁などにかなりの被害が見える。
この前日には岩手県山田町の公民館の桜を見に行った。1週間ほど前には4輪咲いていたというが、私が見たときにはすでに花は落ちていた。
寒くなりだんだん返り咲きの桜を見ることが難しくなってきた。今年の東北詣でもそろそろ終わりかも知れない。
食事などの価格を記載していることがありますが、これは作成時点のものですので、お読みになっている際には変更になっている可能性もあります。
今日の食事
上左は朝から蒸しガキ5個!、
上右は薄味の石巻焼そば、
下左は鮭親子弁当、
下右は定番の萩の月
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- 朝:宿にて。ごはん、じゃがいもの味噌汁、青菜、とろろ、蒸しガキ5個・レタス添え、焼き鮭、ハムエッグ(陶板焼き)、バナナ。
朝からカキが出せるのは、漁業も兼ねているからだ、と75歳のおばあちゃん。
- 昼:日和山公園の金兵衛茶屋で、石巻焼そば。かなり薄味で、自分でソースをかけて味をつけて食べるのだそうだ。このお店は鶴瓶の家族に乾杯に出ている。
ご主人によると、石巻周辺で津波の人的被害が大きかったのは、約50年前のチリ沖地震との違いが大きいという。チリ沖地震では津波直前の潮の引き具合が激しく、市内を流れる旧北上川が川底まで干上がり、魚がピチピチ跳ねていたほどだという。一方今回はその引き潮が全くなく、津波は来ないと思っていたところを巨大津波が襲ったそうだ。
過去の見聞が避難のさまたげになるとは、考えさせられる話だ。
- 夕:海の輝き 紅鮭はらこめしという駅弁をいただく。焼き鮭は脂が乗っていてかなりうまい。いくらもなかなか。でもごはんの量がちょっと少なかったかな。
- おやつ:小腹が空いたのでおみやげに買った萩の月を1個いただく。ふんわりカステラ生地とカスタードクリームのハーモニーが素晴らしい。
- 今朝までの睡眠時間:
- 8時間。奥松島 民宿いすずにて。
奥松島には128軒の民宿があったそうだが、津波の影響を受けて現在営業しているのはたった2軒だけ。この民宿も床上浸水の被害。ただ少し高台にあるせいで他の民宿よりも被害が少なかったそうだ。畳はすべて替えたそうだが、手が回っていなくてまだ壁紙の一部が浮いていたりする、とババ(おばあちゃん)は笑う。
このおババ、75歳にしてはとても元気で、しかも口が達者だ。「(太平洋)戦争で焼夷弾見たり疎開したりした。焼けだされたり両親が死んだ人も多かった。その頃は政府は何もしてくれなかった。今は政府もボランティアも助けてくれる。今のほうがどれだけ幸せか。」
この民宿では自分で漁もやっているため、海産物が入手できないことはないという。漁場が津波の被害を受け、宮城のカキの取れ高は例年を大幅に下回っているため(例えば近くの石巻では例年の約1割と予想)、他の宿が提供しようとすると高い値段で買わないといけなくなり、提供が難しいという。昨夜は焼きガキ3個、カキフライ5個を頂いた。今日も朝から5個。「この時期にカキをいっぱい出せるのは、漁師をやっているから」。
ラッキーな宿に巡り会えたようだ。
- 今日自分で運転した車の走行距離:
- レンタカーで約140Km。車種はトヨタ・パッソ。追い越しや上り坂ではちょっとパワー不足かな。
昨日は宮古市近くまで走り、ほぼ一般道を約410Kmも走って疲れた。
- 今日の昼寝:
- 新幹線で1時間近く。今日は疲れてるなぁ。
- 今日の宿:
- 横浜の自宅
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