2004年7月18日(日) 知床半島は霧雨 北海道羅臼町 羅臼湖 |
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1. 葉陰で辛うじて花を残すチシマザクラ。 花の左にはつぼみも見える。 2004.7.18-北海道羅臼町羅臼湖(45K) |
2. チシマザクラのつぼみ。 まわりにある葉の微毛には霧が付着して 細かい水玉ができている。 葉に毛があるのはチシマザクラの特徴だ。 2004.7.18-北海道羅臼町羅臼湖(33K) |
7月4日の北海道知床・斜里岳登山で、今シーズンの桜旅を終えたはずだった。
だが、昨夕北海道の友人から、同じ知床にある羅臼湖の桜が咲いていたという情報をもらった。2,3日まで満開だったという。桜の根元の雪が遅くまで残っていたため開花が遅れたらしい。
今年の知床は雪が多い。前回の斜里岳でも雪渓渡りの回数がいつもより多く、私も身をもってそれを体感している。
7月後半の桜の花というのは見たことがない。時間も金も余裕がないが、貴重なチャンスなので出かけることにした。昨日は閉店15分前にチケット屋に駆け込み、JALの株主優待券をGET。だが、これでも総額70,600円の航空券が往復トータルで16,000円しか安くならないから、焼け石に水という感じではある。
熱帯夜だった東京は朝からどえらい暑さ。桜を見に行くという行動とは全くリンクしない気温である。重さ17,8Kgの荷物を背負っていると立ち止まっているだけでも汗が出る。ちなみに今回は長靴も持参しており、いつもより荷物が多い。
一方、霧雨の降る北海道羅臼町は午後2時で気温10度! 気温の落差に身体が参りそうだ。
目指すは、羅臼湖入り口から5分歩いたところにある桜。これは昨シーズンの桜旅の最後を締めくくった木でもある。雨のせいで細い遊歩道の幅いっぱいに水溜りができている場所がいくつもあり、わざわざ長靴を持ってきて良かったと思う。
このあたりは確実に熊が住んでいるので、腰には熊よけの鈴をぶら下げ、立ち止まったときのためにラジオを点けている。沖縄や奄美ではハブを恐れ、北海道では熊を恐れる...。桜を追う旅は意外と命がけである。
あった。桜だ。でも、一歩一歩近づきながら観察しても、花はまったく付いていないように見える。緑の葉が微風に揺れるだけだ。ここ数日暖かい日が続いたのと、昨夜あったという強い風雨のせいで、花が残れなかったのだろう。やはり無理だったか。
しかし、桜のもとでよくよく観察すると、あちこちに花が付いていた。やった!
この木はチシマザクラ。本州の高山部や、北海道・北方領土の山岳部などに自生する。白か薄いピンク色の花をつける。山の厳しい環境に耐えるため、背は高くならず枝が横に広がる性質がある。葉の表裏や小花柄(花のくき)に細かい毛が生えているのも特徴だ。
木の根回りは50cmほどで、数本ある太い枝の直径は15cm程度だ。何本かの太枝は葉も花も全くなく、枯れてしまっているようだ。この立ち枯れが広がらないよう祈りたいものだ。
結局、10輪ほどの花が残っていた。花は主に、風雨の影響を受けにくい葉陰などにあった。探すほうの私にとっては大変であったが。
その花も、ちょっと目を離したすきに花びらを落とし始めた。花期が終わりであることを痛感する。
それでも、花を見ることができたので、来た甲斐があったというものだ。
今日は霧雨のためよい写真が撮れなかったので、明日再度チャレンジしようと思う。明日は連休最終日とあって混んでおり、釧路発の最終便が取れず、14:30発に乗るので時間が厳しい。撮影時間がきちんととれることを祈りたい。
そして、明日まで花が残っていますように。
下はユースの夕食の ジンギスカン。 (↑55KB) |